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害虫の特徴と防除

徘徊する不快な虫(5) カマドウマ

特 長

 カマドウマ科に属する昆虫は国内に14種ほど生息する。
バッタの仲間に属する昆虫であるが、翅が全くない。昔の台所にあったかまどに良く出現し、背中が大きく丸まって馬の背に似ることからこの名が付いた。家庭では便所の近くでよく見られるため、ベンジョコオロギと呼ばれることがある。暗く陰気な場所に多く、湿気がこもる場所を好み、雑食性で、夜に徘徊して昆虫の死体や野菜クズなどを食べる。
 床下など家屋周辺に生息し、夜になると家の中に侵入するものが多い。水はけの悪い土地に建つ住宅では、大雨の後に多数が室内に侵入して問題となることがある。その姿から不気味がられるが、一般にはあまり大きな害はあまりない。
 ただし古い書物や屏風などの和紙を食害することもあり、博物館や資料館などでは文化財の害虫となる。マダラカマドウマ、カマドウマ、コノシタウマ、クラズミウマなどの種類がある。

防 除

 庭や床下にカマドウマが好む暗くじめじめした環境を作らないようにする。家屋の周辺に落葉などが溜まっていたら清掃し、虫の潜み場所を無くする。排水溝なども清掃して、水はけを良くする。
カマドウマを庭でよく見かける場合には、家の外周に不快害虫用の粒剤を帯状に散布すると侵入を防ぐことができる。また床下空間に床下用の殺虫エアゾールを噴霧すると、殺虫または忌避させることができる。
 屋内に侵入したものは素手で触らず、不快害虫用のエアゾールを噴霧し、ほうきで掃き出す。
 なおゴキブリ用の粘着トラップを設置しておくと比較的よく捕獲される。