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害虫の種別の説明

節足動物門 昆虫綱 ハエ目 アブ科 Tabanidae

アブ類 Tabanidae

主な種類

アカウシアブ Tabanus trigonus Coquillett
シロフアブ Tabanus trigeminus Coquillett
イヨシロアブ Hirosia iyoensis (Shiraki)
キンイロアブ Tabanus sapporoensis Shiraki ほか

害虫のカテゴリ

吸血害虫、ペット害虫、刺咬害虫

形 態

 ハエより触角が太く短く尖り、鋭い刃物のような口器を持つ。アカウシアブは体長20〜30mmで日本最大のアブ。腹部は黒色に黄色の帯模様がある。
 シロフアブは体長14〜19mm、黒色の地に灰白色の斑紋がある。
 イヨシロアブは体長9〜12mm、胸部は暗灰色で、腹部は黒色で白色の横帯がある。
 キンイロアブは体長9〜12mm、全体が黄金色で、眼は緑色である。

分 布

 各種のアブ類が全国に分布する。アカウシアブ、シロフアブは北海道〜九州、対馬に分布する。イヨシロアブ、キンイロアブは北海道、本州、四国、九州に分布する。

被 害

 山間部でキャンプやハイキング、釣りをしている人に飛来し吸血する。場所によっては、時に大群に襲撃されることもある。排気ガスに誘引されて飛来し、車の窓から侵入して、車中で刺される例も多い。咬まれたアブに咬まれると一時的に激痛があり、次いでかゆみが続き、そのあとが大きく腫れる。通常は2日ほどで全治することが多い。シロフアブなどのアブの幼虫は、湿地などに素足で入ると刺咬被害を与える。

生 態

 日本にはアブ科に属する昆虫は100種ほど知られているが、その中で人を吸血するのは10数種である。鋭い刃物のような口器を持ち、その口で人間の皮膚を傷つけて血液をなめる。吸血するのは雌の成虫のみである。
 小川、水田、沼、湿地などから発生するほか、種類によっては林、草地の土壌からも発生する。卵は発生源近くの植物の葉裏などに塊状に産み付けられ、約1週間で孵化する。幼虫は一見ハエのウジに似ており、土壌に潜って微小昆虫など小さな小動物を食べて生活する。幼虫期間は、短い種で約1年、長い種では3年ほどである。成虫は年に1回発生する。
 アカウシアブは6月中旬〜9月上旬に発生し、7月中旬〜8月上旬がピークで、日中に吸血活動する(早川、1994)。シロフアブは6月中旬〜9月中旬に発生する。田植え作業中に、幼虫による刺咬被害を与える(早川、1994)。イヨシロアブは7月上旬〜9月下旬に発生し、8月上旬〜中旬がピークで、早朝や夕方に激しく吸血する。キンイロアブもイヨシロアブと同時期に発生するが、日中に吸血する。

防 除

詳しい防除方法は群のページをご覧ください。

イヨシロアブ

この害虫が属する群
この害虫のグループ
  • アブ類 Tabanidae