どんな虫にお困りですか?

害虫の特徴と防除

徘徊する不快な虫(3) ワラジムシとダンゴムシ

特 長

 ワラジムシ、ダンゴムシ、フナムシなどは、節足動物甲殻網のワラジムシ目に属する小動物で、日本ではおよそ100種が記録されています。これらの小動物は腐りかけた植物質を堆肥にまで分解してくれるため、野外の掃除屋として役立っています。しかし時々屋内に侵入することがあるため嫌われています。
中でもワラジムシ、ホソワラジムシなどのワラジムシ類(別名:ゾウリムシ)、オカダンゴムシなどがよく屋内に侵入します。海岸近くの家屋では、まれにハマダンゴムシTylos granulatus やフナムシLigia exotica Roux(フナムシ科)が侵入することもあります。
 ワラジムシ類のワラジムシは、体長約12mm、灰褐色〜暗灰色で、ワラジ型をしています。昼は枯葉や石の下、朽ち木やゴミの中などの湿った場所に潜み、夜間に活動して、腐植物質を食べます。春と秋の2回繁殖し、数10個の卵は雌の腹の中で孵化し、幼虫は腹を破って出て来きます(服部、1987)。ホソワラジムシは、よりほっそりした体型をしており、関東以南では本種の方が頻繁に屋内に侵入するようです。
 ダンゴムシ類のうち家屋に侵入して問題になるのは主にオカダンゴムシです。オカダンゴムシの体長は約14mm、灰色〜暗灰色で、体は半円筒型で、刺激を与えるとダンゴのように丸まるのが特徴です。やはり腐植物質を食していますが。ワラジムシより水分の少ないものも食べます。迷路を歩かせると、右に曲がった次は左に曲がり、左右交互に方向転換する面白い習性が知られています。

防 除

 日頃から家屋の周辺の雑草は除草し、落葉などが溜まっていたら清掃し、風通しを良くしておきます。庭や床下に暗くじめじめした環境を作らないようにすることが大事です。梅雨期や大雨の時などに、建物の周囲に生息しているものが這い上がってきますので、排水溝なども清掃して、水はけを良くしておきます。
 屋内に虫が侵入する場合には、建物の周りに不快害虫用の粒剤を帯状に散布しておきます。屋内への侵入口には不快害虫用エアゾールを吹き付けておきます。
 一般家屋や事務所などでは植栽の植木鉢と共に虫が持ち込まれることがよくあります。工場などではパレットに付着して侵入することもありますので注意が必要です。
 屋内に侵入したものは外につまみ出すだけで充分ですが、市販の不快害虫用エアゾールを吹き付けると殺虫できます。