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害虫の種別の説明

節足動物門 昆虫網 コウチュウ目 ヒラタキクイムシ科 Lyctidae

ヒラタキクイムシ Lyctus brunnus (Stephens)

害虫のカテゴリ

建材害虫、家具害虫、文化財害虫、不快害虫

形 態

 体長3〜7mm、赤褐色〜暗褐色。 卵は白色円筒形で、長さ約0.8mm、前端に細い糸状の付着物がある。幼虫は、成熟して体長5.1mmに達し、黄白色となる。
 蛹は体長4〜5mmで黄褐色となる。幼虫と成虫の口器は甚だしく強大である。

分 布

熱帯から温帯にかけて世界に広く分布し、日本では全国に分布する。

被 害

 乾燥木材の大害虫として知られ、外国からの輸入材(ラワンなど)の被害が多いが、ケヤキ、ナラ、カシ、キリなどの広葉樹や夕ケなどが広く加害される。住宅の建築部材、材質の柔らかいものに食い込んで穴を開け、その中で繁殖する。

生 態

 暖房などの条件によっては、時に年2回発生する場合もあるが、通常は年1回の発生で、成虫は5〜6月ころに現れる。好んで食害する乾材はラワン、ナラ、ケヤキなどである。幼虫はデンプンの含有量が3%以上の辺材部を食し、1%以下の心材部は加害しない。デンプン含有量の低い材では1世代を2年かけることもある。成虫の体長は幼虫期の栄養条件によって約3〜8mmになり、変異が大きい。
 幼虫は繊維の方向に食べ進み、冬が近づくと成熟した幼虫は表面近くに移動して越冬し、成虫が脱出する時に、糞などを排出する。加害材の下に白い粉が柱上に見られ、これによって初めて被害に気が付くことがほとんどである。
 卵期間は7日前後、幼虫は木材の中で生息し、幼虫期間は越冬をはさんで10カ月以上(好飼育条件下では1.5〜2ヶ月)、蛹期約10日。羽化直後の成虫は、数日間蛹室内に留まり、その後脱出して交尾、産卵する。成虫の寿命は、1.5ヶ月程度(岩田、1995)。雌はその間に100個程度の卵を産む。
 雌成虫は木材表面を噛んで、澱粉が豊富な場合にのみ産卵を行う。 産卵は辺材部の導管内に行われ、導管の直径は0.18mm以上が必要とされる。したがって、導管を持たない針葉樹は、その加害を受けない。成虫は夕方から夜間に活動が活発となる。

防 除

詳しい防除方法は群のページをご覧ください。

ヒラタキクイムシ

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