節足動物門 昆虫綱 ハエ目 ノミバエ科 Phoridae
(Last update : 2022/10/21)
コシアキノミバエ Dohrniphora cornuta (BIGOT)
オオキモンノミバエ Megaselia spiracularis
不快害虫、混入異物
ノミバエは、体長2〜3mmで、背中が丸く、後脚腿節が太い。中脚脛節の側面の毛が、コシアキノミバエでは基部に2本あるが、オオキモンノミバエでは多数のある点で異なる。
日本全国に分布。
一般家庭では溜めた生ゴミ、清掃していない排水管、風呂場の浴槽下等から大発生を見ることがある。
後脚の腿節がノミのように太いハエ類で、日本に127種の分布が知られており(中山・後藤、2014)、多くは野外に生息するが、一部の種類は屋内で発生する主要なコバエ類としても知られる。動作が活発で、僅かな隙間からも入り込むため、種種の食品に異物として混入することもある。マンホールの蓋の隙間から侵入し、浄化槽の水面に浮遊するスカムに大発生した事例もある。幼虫は腐敗植物質、漬物、堆肥、動物死体、腐肉などから発生する。成虫は屋内では窓ガラス、台所、食卓上などに見られ、灯火に誘引される。発生時期は5〜9月、とくに7〜8月に多く現われるが、屋内などの環境下では年間を通して見られる。
生育期間はコシアキノミバエを27℃で飼育した記録で、卵期間半日、幼虫期間2.5日、蛹期間10日という報告がある。オオキモンノミバエを26℃で飼育した場合には、餌条件によって大きくことなるが、卵期が約1日、幼虫期3.6日、蛹9.7日で、卵から羽化まで14.3日であった(富岡、2005)。
流しや風呂場の排水トラップや排水管を市販のパイプ洗浄剤で清掃する。
ノミバエ類