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害虫の特徴と防除

野外の吸血害虫(2) ヌカカ 

特 長

 ヌカカはハエ目、長角亜目、ヌカカ科に属する昆虫の総称です。糠のように微小なカ(蚊)という意味が名前の由来ですが、カ(蚊)とは違う科の昆虫です。世界中に約4000種、日本では約40種ほどが知られています。
   微小で、翅長が1〜1.5mmのものが多く、触角は長く数珠状で、翅は透明で薄い斑紋があるものも多い。静止時は左右の翅の一部を重ね、平たい感じがします。春から秋にかけて、多くの家畜や人を吸血します。人の衣服の下に潜り込んで吸血することもよくあります。照明にも誘引され、網戸の目を容易に潜り抜けて、屋内で被害にあうこともあります。
 水田地帯ではホシヌカカなど、山間地域ではヌノメモグリヌカカ、ミヤマヌカカ、ナミヌカカ、平地ではニワトリヌカカ、海岸近くの住宅ではトクナガクロヌカカ、イソユカカなど、多くの種類が生息しています。

防 除

 多く発生する地域では、長袖、長ズボン、帽子、軍手を着用して肌の露出を少なくし、露出部には防虫忌避スプレーを噴霧し塗布します。また携帯用の蚊取り器や蚊取り線香を身に付けるとあまり吸血されません。殺虫剤エアゾールは、群がって来た時に、その空間に広角に噴霧します。
 外壁や窓ガラスには、防虫忌避効果のあるエアゾールを吹き付けておきます。光に誘引されるので、外の照明は紫外線をあまり出さない照明に変えます。窓ガラスから出る光が誘引している場合には、近紫外線を遮断するフィルムをガラス面に貼ると飛来数を抑えることができます。また外に光が漏れないような場所に、ライトトラップを設置して捕獲します。屋内に侵入したヌカカに対しては、電気蚊取りや蚊取り線香によって対処します。
 刺された場合には、患部に化膿止めと抗ヒスタミン剤が含まれる軟膏を塗り、腫れがひどい場合は湿布をして冷やします。多数に襲撃されると症状がひどくなりますから、その場合には、病院で医師に診てもらいます。

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