どんな虫にお困りですか?

害虫の特徴と防除

コバエ

特 長

 ここでは、普段の生活の中で身近に見られる、体長が数mmの小型のハエ目の昆虫を「コバエ類」と呼ぶことにします。
コバエ類にはチョウバエ科Psychodidae、ニセケバエ科Scatopsidae、クロバネキノコバエ科Sciaridae、ノミバエ科Phoridae、ショウジョウバエ科Drosophilidae、ハヤトビバエ科(フンコバエ科)Sphaeroceridaeなどの種類が含まれます。ハエ目の昆虫は、大きくカの仲間(長角亜目)、アブの仲間(直縫短角群)とハエの仲間(環縫短角群)に分けられますが、上記のうちチョウバエ類、ニセケバエ類、クロバネキノコバエ類はハエと名がついているものの、分類学的にはカの仲間(長角亜目)に属します。残りの3種類はハエの仲間(環縫短角群)です。しかし肉眼では一般の人はあまり区別できません。
 これらのコバエ類は残飯やジュースの残渣、生ゴミ、腐敗物、排水管や下水などから発生します。目の周りにまとわり付くと不快で、時に目などに入ることもあります。1〜3週間で卵から成虫になるため、突然に多数発生することがあり、その場合にはさらに不快感が高まります。また食品などに混入する事故も多く、食品を扱う店舗や工場では深刻な被害となります。発生源が汚れた場所であることから、衛生上も問題となります。

防 除

 小バエ類は幼虫の生息場所となる発生源を日常的に清掃・除去することにより、屋内での発生を抑える事が可能です。流しや風呂場の排水管や排水トラップを市販のパイプ洗浄剤などを用いて定期的に清掃します。また、汚水ピットなどの発生源から出てくることを抑えるため、侵入口の隙間を埋めたり、目合の細かな網を張ることも重要な予防方法の一つです。
 さらに、屋外からの侵入を防止するためには、誘引要因となる光漏れ対策や防臭対策、換気扇や窓の隙間対策、窓ガラスや網戸などへの忌避剤の処理がキーポイントになります。
 駆除をする場合、幼虫に対しては専用の発泡錠剤の使用が効果的です。成虫に対しては、粘着紙の付いたライトトラップが有効です。
 少数であればエアゾール剤などの直接噴霧でも対処は可能ですが、大量発生した場合にはエトフェンプロックスなどのピレスロイド様水性乳剤による空間噴霧や燻煙剤等による駆除が必要になります。また、密閉された空間ではエムペントリン等の蒸散剤も効果的です。